日本の美術商は数も増え勢力を増し
日本の美術商は数も増え勢力を増し、大正、昭和初期という激変の時代、時代についていけず没落した旧公家や旧大名家が放出する美術品・工芸品の大入札で札元を務め巨額の手数料を手に入れたほか、新興財閥や華族から商人までさまざまな人々に出入りし美術品を売っていった。風呂敷に美術品を入れて金持ちの間を行商して回った「風呂敷画商」という人々もいたが、自前の店(画廊)を持って作品を見せる美術商も増えた。
また百貨店も、呉服の意匠製作などを通じて関係のあった美術家たちやその団体に発表の場を提供して、美術館のなかった時代に作品発表の場として機能した。百貨店やその顧客にとって、こうした団体や美術家の作品は、贋作の恐れのある古美術とは違い存命作家の作品であるため、安心して取引・購入できることも大きな利点であった。百貨店の美術部は現在に至るまで美術家とのつながりを維持し、また自社に多くのコレクションを抱えている。
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今日、日本画や洋画など画壇の確立した分野では先輩作家の紹介などによりこうした美術商を通じた販売が比較的ある反面、現代美術の場合は美術商が未発達なため、美術家は貸し画廊で発表し自分のつてで売ったり、作品販売でなく他の職業で生活することが多い。もっとも1990年代以降、現代美術でもギャラリスト的な「企画画廊」が増え、若手作家を積極的に海外のアートフェアに出展している。またバブル後の不況を経て、古美術・日本画・洋画・現代美術と立場を超えて協力し美術品のファン、購入者を増やそうという動きもあり、日本でも「アートフェア東京」など、本格的なアートフェアを志向するフェアがいくつか立ち上がっている。